大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)567号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人布施辰治の上告趣意第一點について。

朝鮮人は、連合国人に屬せず、日本在住の朝鮮人は日本刑法の適用を受け、日本の裁判権に服するものであることは、昭和二一年六月一三日勅令第三百十一號及び一九四五年一月三十一日附連合国最高司令部発日本帝国政府宛「連合国、中立国及ビ敵国ノ定義ニ關スル覺書」並びに刑法第一條第八條の趣旨に徴し明瞭である。しかして、かくの如き人に關する準據法規を特に判決に表示することは、刑事訴訟法の要求せざるところである。論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)

以上のごとく、本件上告は理由がないから、刑事訴訟法第四四六條に從い、主文の通り判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 藤田八郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例